4. 強震計の点検と維持
4.1 点検
(1) 日常点検
定常点検は、原則として1か月に2度以上表-4.1〜4.3に示すような項目について、強震計を管理する現地の担当者により行われる。また、3か月毎に港湾技術研究所より点検票が送付され、現地の担当者がこれに点検の結果を記入した上で、港湾技術研究所に返送される。
| 観 測 地 点 名 観 測 事 務 所 名 点 検 年 月 日 点 検 担 当 者 |
年 月 日 時 分 |
| 外部異常の有無 | |
| バッテリー電圧の確認 | |
| 内部装置の塵及び発錆の有無 | |
| スターター水準器の正、不正 | |
| スターター接点の良、不良 | |
| 刻時用電接時計が作動するか否か | |
| 刻時ペンが作動するか否か | |
| 各記録ペンのペン圧の良、不良 | |
| 各成分振子の異常の有無 | |
| 記録紙は良好に送られているか否か | |
| 起動器始動の点検（電気式、機械式共） | |
| 準備動作確認用のランプ類点検 | |
| 準備動作確認用のプザーが鳴るか否か | |
| 記録紙の変質の有無 |
| 連絡事項 |
| 観 測 地 点 名 観 測 事 務 所 名 点 検 年 月 日 点 検 担 当 者 |
年 月 日 時 分 |
| 1.記録器外部の異常（腐餌や破損の有無） | |
| 2.交流電源の受電（電源ランプの点消） | |
| 3.バッテリー（メーター黒指針が12または24V以上） | |
| 4.バッテリー溶液量 | |
| 5.地震記録の有無 | |
| 6.記録紙の残量 | |
| 7.シリガルの交換要、不要（シリカゲル月1回交換すること。）（スターターにより記録動作させる。） | |
| 8.DC-ACインバータ（ランプの点燈） | |
| 9.記録紙が正常に送られるか（10秒間以上）オシログラフ RECORD スイッチをOFF | |
| 10.イメージ（記録光点）が正常な位置にあるか | |
| 11.イメージ（タイミング）が正常な位置にあるか（DC-ACインバータランプが消燈するまで待つ）（記 録 準 備 ） | |
| 12.オシログラフRECORD スイッチ ONにする。 | |
| 13.オシログラフRECORD スイッチ ON | |
| 14.オシログラフスピード 2cm／sec | |
| 15.DC-ACインバータPOWER スイッチ ON | |
| 16.記録紙に記入（点検日、点検者、地点名） | |
| 17.スターター水準、接点間隔の良否 |
| 連絡事項 |
| 地 点 名 | |||
| 点 検 日 時 | 年 月 日 時 分 | ||
| 点 検 項 目 | |
| 1.記録装置の外部、周辺の異常 | |
| 2.バッテリーの液量 | |
| バッテリーの端子腐食 | |
| 3.地震記録の有無 | |
| 4.交流電源ランプ点燈 | |
| 充電ランプの点燈（消えていても電圧メーターで14V以上指示していれば正常です。） | |
| 5.記録紙残量不足ランプ消燈 | |
| 6.記録動作（記録スタート） | |
| 記録紙の送りに異常(上記確認後記録ストップ) | |
| 標準加速度ランプ点燈 | |
| 7.各記録線の位置 | |
| 各記録線の調整 | |
| 8.シリカゲルの交換の必要 | |
| 9.準 備 | |
| 記録紙残量不足ランプは消燈していますね。 | |
| 記録速度のミスランプは消燈していますね。 | |
| 記録紙上に観測地点名、点検者名、点検日時を記入する。 |
(2) 地震後の点検
担当者が地震による振動を感じた場合、または、テレビ、ラジオ、新聞等によって震度�彊幣紊涼録未糧�生に気付いた場合には、できるだけ速やかに強震計の点検を行なう。記録が得られていた場合には、この記録を速やかに、港湾技術研究所耐震構造研究室に郵送する。この場合の点検は、定常点検に準じて行われる。
4.2 専門技術者による点検
地震計を管理する現地の担当者により、強震計に異常が発見され、かつそれが担当者によって修復困難な場合には、強震計の製作会社の専門技術者による修理が行われる。また、強震計の新設または移設は、必ず専門技術者により行なわれる。
原則として、すべてのSMAC-B2強震計は、故障の有無にかかわらず、1〜2年ごとに専門技術者により点検、調整される。
4.3 点検担当者の講習
強震計の点検と維持は、強震計が所定の性能を発揮できるかどうか、さらには強震観測そのものが成功するかどうかを左右する重要な要素である。そこで、港湾技術研究所耐震構造研究室及び地震防災研究室では、新たに強震計を管理することになった担当者に、港湾技術研究所に集まってもらい講習を行なっている。講習の内容は、強震計の点検と維持のために必要な知識や技術が修得できるように組まれ、あわせて地震工学的なものの見方や考え方に触れることができるようになっている。